宣伝会議賞、シルバーの受賞者さんにインタビュー!

SKATも発売されず…。ラジオCMコンペも終わり…。
何をすればいいのか、途方に暮れていたそんな中。

宣伝会議賞の受賞者さんで、快くインタビューに応じてくれた方がいらっしゃいましたー!

今回は、シルバーの受賞者さん!
授賞式で発表された瞬間に、「あ、取ったな」と思ったほど、印象に残っていたコピーです!
というわけで、課題と、受賞作品が、こちら!

【課題】
キヤノンの一眼レフ「EOS Kiss X9」で、わが子を撮りたくなるアイデア

【受賞作品】

子供の悔し涙は、
遠くから撮るのが愛だと思う。


「悔し涙」と来たかー。と、授賞式を見ながら膝を叩きました。
改めて自分のコピーを見直してみたら、「笑顔」ばっかり!
きっと応募作品は、ありふれた子供の笑顔であふれていたのではないでしょうか。
そんな中、悔し涙を撮ったこの作品。いったいどのようにしてこの切り口を思いつかれたのか。
作者の幸田さんにインタビューしました!


なぜ、一眼レフで撮るのか、からスタート。


今回の課題が「キヤノンの一眼レフ「EOS Kiss X9」で、わが子を撮りたくなるアイデア」ということでしたので、
まずは、どんなときに一眼レフで子供の写真をとりたくなるのか、なぜ一眼レフで撮るのか、というところからスタートしました。
私も4歳の子供がいるのですが、日々の生活だとスマホのカメラで十分で、わざわざ一眼レフで撮る意味が必要だなと考えていました。

「親が遠くから撮りたいものって、子供の表情」

コピーを考えているときに、ちょうど子供の運動会がありまして、撮影席でパパやママが一斉に子供たちに向けてカメラを向けているのを眺めながら、
一眼レフで撮っている人とスマホで写真を撮っている人がそれぞれどういう写真を撮ってるのか見てみました。
スマホで撮影していると、ズームの限界があるのでどうしても引きの写真になっているのですが、
一眼レフで撮影している人たちは、子供たちの表情にぐっと寄った写真を撮影していて、遠くからでも子供の表情を撮りたくて一眼レフを使っているんだなと思ったのが第一ステップでした。

自分は、「カメラと子ども」をテーマにしたコピーばかり書いていて、この赤字について、深く考えなかったことが、浅いコピーを生んだ原因かなと改めて感じました。「スマホでいいやん」という、根本的な課題を、無視しちゃっていたんですね^^; 幸田さんは、その理由ときちんと向き合ったからこその、「表情」という切り口に至ったわけですよね。最初から、いい感じのキーワードを狙った「笑顔」とは、違うプロセスだったわけです。


具体化していく。


ここで考えたコピーが、

・親から遠いほど、撮りたい顔になる
・遠くにいるほど、子供は知らない顔をする

などだったのですが、冷静に親の目線で見てみると、
うん、そうだよね・・・とは思うものの、あまりぐっとこないな・・・と。
もう少し、共感できるなにかが欲しいなと思って深堀りしてみることにしました。

●「遠く」から連想すること

・運動会や学芸会などの行事で物理的に離れている
・親から遠い=離れてるときほど成長を感じる
・近づきたくても近づけない
・物理的な距離と心の距離

●残したい「表情」ってどんな顔?

・親が見たことがない顔
・成長した顔
・うれしい顔
・悲しい顔
・怒った顔
・悔しそうな顔

こんな感じで、色々とポイントを書き上げてみてふと思い出したことがありました。
これもまた実体験なのですが、運動会のときにうちの子より少し上の年長クラスの男の子の友達がクラス対抗リレーで負けてしまいその後ずっと泣いていて、
席に戻ってからもお父さんお母さんがいくら声をかけても、何も言わずにただじっと黙ってうつむき泣き続けてまして・・・
親は子供がつらい時や泣いている時には近くにいて支えてあげられたらと思うものですが、子供はいつの間にか成長していて、
自分自身で悔しい気持ちを受け止めようとしたり、親にさえそんな気持ちを話したくないと思うときがくるのだなと。
そういう瞬間が子供が成長するということなんだと思いますし、そんな時に親ができるのは、ただそっと遠くから見守ってあげることなのではなんだろうなと。
この出来事を思い出し、子供の写真を撮ることっていつも親が子供をみつめる視線に近いのかもしれない、
子供がひとりで成長していくとき、そっと遠くから見つめるような気持ちで子供の成長を撮ってあげたいという今回のコピーで伝えたい部分が決まり、

子供の悔し涙は、遠くから撮るのが愛だと思う。

というコピーができました。

コピーの作り方の話を聞いていたつもりが、もはや子育てをテーマにしたエッセイを読んでいる気分になりました。そんな思いの詰まったコピーに、自分のコピーの「笑顔」なんて勝てるはずがない!(笑)とはいっても、幸田さんも、いきなり課題を見て、このエピソードや思いに、気づいたわけではなく、「遠くから撮りたいとき」や、「残したい表情はなんだ?」と、具体的に掘り下げていったからこそ、気づけた思いだったわけですよね。


「取りたい顔」
「知らない顔」


具体化(運動会でのエピソード)


「悔し涙」


という変遷が見れます。かつ、「子供を撮る」って「子供を見つめる」と似ていることかもという、新しい気づきも、発見されています。一般論で終わらずに、「ん?この言葉って、結局どういうことだ?」と自問自答を繰り返すことが、新しい気づきや、いいコピーを書くヒントになるのかもしれません!


表面的な表現に、なっていないか。


コピーを作る時に意識していたことは、
表面的な表現になっていないか、ということでしょうか。
応募したコピーの中でも一次通過できなかったものもたくさんあって・・・、
そういうコピーは、なんとなく耳障りがよい気がする、ちょっとカッコつけた表現だったりした気がします。
この商品はどんな人に、どういう状況で、どういう部分にフォーカスして伝えたら、ほんとうに良いと思ってもらえるんだろうとじっくり考えて、その後にどう表現するか発想していった方が選べる言葉の幅が広がるように思います。
今回のコピーは自分も親ですし、まさにターゲットだったのですごく、商品とターゲットの結びつきみたいなものが考えやすかったのですが、
全然自分と関わりがない商品でも、コピーが書ける方はすごいなと思いますし、いつか自分も書けるようになりたいなと思います。

自分は「笑顔」という言葉で、思いっきりカッコつけていました(笑)こういうお話を聞くと、いいコピーって、いきなりポンと狙って生まれず、自問自答を繰り返した、成果(気づき)の集合体が、いいコピーなんだとつくづく感じました。対句、ダジャレ、裏切り、コピーって一見表現に目がいきがちなんですが、やっぱり、大切なのは、シンプルに「考え抜くこと」。これに勝る表現はないなと、インタビューをしながら感じました。


次回こそ、ファイナリストすらいけなかった悔し涙を流さないよう、考え抜きたいと思います!





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