宣伝会議賞の全通過作品が載った、SKATが、いよいよ来月発売されますね!

自分のどの作品が、通過しているのか。
知り合いの作品は、どういう作品か。
どういう作品が、上位に来ているのか。

この1冊だけで、1年は楽しめます!

そして今回はなんと…、1次通過作品すべて分析するぜ企画を考えてます(笑)
でもその前に、まず、ノミネート作品を分析しなくては…!
ということで、今回はセメダインの課題でファイナリストにノミネートされた方に、インタビューしました!
課題と作品は、こちら!


【課題】
あらゆる産業現場のエンジニアに「技術パートナー」としてセメダインを想起させる広告アイデア

【受賞作品】

液体ネジ。


もはや、「セメダイン」という商品名よりも、「液体ネジ」という商品名にすれば売れるんじゃないかと思わせるぐらい、発想が面白くて、目が覚めような作品でした!「ネジみたいに強度が強い」という比喩じゃなくて、もはや「これはネジです」と、言い切っちゃう気持ちよさがあります。他の接着剤なら、言い過ぎかもですが、セメダインだから言えるコピーでもあるなとも思いました。本当シンプルなんですが、こういうコピーって、なかなか出ないんですよねぇ。じゃあ、せめてヒントだけでも知りたい!ということで、作者の菊永さんに、作るまでの過程をインタビューしました!


エンジニアになりきって考えてみた。



今回のセメダインの課題は

【あらゆる産業現場のエンジニアに「技術パートナー」としてセメダインを想起させる広告アイデア】。

例年と違って、一般人をターゲットから除外。

エンジニア(プロ)が使いたくなるようなアイデアの募集とのことでした。

素人なりに、エンジニアになりきって考えてみると、

「大事な場所に接着剤は使いたくないなぁ。

なんか、いざというとき取れそうだなぁ。」というのが本音。

しっかりくっつけるなら「ネジ」とか「溶接」がいいなぁ。

みたいなことをぼんやり考えながら、

セメダインのことを調べてみると、

自分の考えが愚かだったことに気づきました。

要約するとセメダインは

「温度変化に強く、曲がる動きにも強く、接着力もなんかめっちゃ強い」

とかなんとか。

しかも、点でくっつけるネジと違い、液体だから面でくっつけることができる。

つまり、薄いところにも、柔らかいところにも使用可能。

さらには工業用セメダインも充実していて、

産業現場で実際に使用されているとかなんとか。


もうネジよりすごいやんセメダイン。

しかし、エンジニアになりきっている自分が囁きます。

「ネジの信頼感はすごい」と。

だから「ネジ」のネームバリューだけ拝借。

ネジ並みの接着力を持った液体。

液体のネジ。

液体ネジ。

という流れでこのコピーは誕生しました。


この赤字の気持ちに、気づけるかどうかは、大きいところだと思いました。自分もこの課題にチャレンジしてはいたのですが、もうとにかくセメダインは実際の現場でも使われているだの、プロも使っているだの、とにかくセメダインを褒める(持ち上げる)ことだけを、考えていたような気がしました。でも、確かに自分がエンジニアだったら、「接着剤なんて怖くて使えない」って思うはず。なんでこんな当たり前のことに気づけなかったのか。それは、「ターゲットではなく、ターゲットにセメダインを売るセールスマンになっていた」からだと思います。キャッチコピーはターゲットの課題を解決するもの。ならば、まずターゲットにならなければ、課題すら気づけないじゃないか…! 今回でいうと、


【課題】
接着剤は、はがれそう。怖くて使えない

【アイデア】
ネジなら、信頼して使えそう。ネジの名前だけ、拝借しよう。

【解決策】
液体ネジ。


ネジという、ネームバリューだけ使っちゃおうと発想が、コピーライターならではの解決策だなぁと考えさせられました。まずはターゲットの本音を探り、課題を見つける。いきなりセールスマンにならない。とても参考になりました。


コピーを作るときに意識していること。



常に課題をアタマの片隅に置いて生活するようにしています。

座って考えることが苦手なので、

課題を詰め込めるだけ詰め込んで(できるだけたくさん)、

商品やターゲットのリサーチを終えたら、考えることをやめて他の作業をします。

あとは生活の中で思いついたことをメモ。

締め切りが迫ってきた頃に、

メモの中から良くなりそうなネタを拾ってブラッシュアップしていく感じです。

あと、これは意識していることではないのですが、

コピーを考えるとき映像を頭に浮かべて考えるクセがあります。

オリジナルのCM(?)のような映像をイメージし、

その映像のラストにどんな言葉をいれるべきかを考え、

それをそのままコピーとして採用したりもしています。



宣伝会議賞を応募する人は、本当に色んなスタイルがあると思います。でも、やはりいいコピーを書く人に共通しているのは、「リサーチ力」かなと思います。となると、いったんコピーを書くことはいったん忘れて、リサーチに没頭する日を作るのも、一つ手かなと、思いました。少ない応募数で受賞する人がいるのは、きっと応募する時間の代わりを、リサーチにあてているからではとも思っています。
そして、最後の手法は自分も結構やっていました! 自分の場合は画像検索をするんですが。コピーを書くと、どうしても言葉に目を奪われがちなので、絵をみて発想するのもありだなと思っています!


セメダインは、毎年出されている課題。
この「液体ネジ」を超える作品を考えるのかと思うと、絶望的になりますが(笑)
自分なりのセメダインの魅力を見つけられたらなと思います!